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なぜ関西のローカル大学「近大」が、志願者数日本一になったのか 書評

 

店頭で目にしてから気になっていたこの本を購入してみました。

 

帯にはホリエモンも東大以外でここなら通ってもいいかも?という
コメントを寄せていて、これも気になっていたんです。

全体的には近畿の歴史があり、イメージも固定されているこの大学が

 ①なぜ近大マグロの養殖とその販売(店舗も含めて)に成功したのか

 ②なぜ明治を抑えて入学希望者数1位を獲得できたのか

ということを軸にこの学校への取材を進めていくという流れです。
(なにわのバンカラな大学というイメージがあるというのは初めて知りましたが)

【目次】
はじめに――近大の「なぜ」には「理由」がある

第1章 志願者数トップの理由
1 なぜ、女子の感性にアピールできたのか
2 なぜ、受験料を割引いたのか
3 なぜ、志願者数日本一になったのか

第2章 近大マグロを誕生させた大学力

1 なぜ、大学のレストランに大行列ができるのか
2 なぜ、水産研究所がベンチャー企業を作るのか
3 なぜ、大学が大ヒット商品を生み出せるのか

第3章 教育と経営が共存する秘訣

1 なぜ、大学の入学式を芸能人がプロデュースするのか
2 なぜ、論文や研究を社会につなげていくのか
3 なぜ、大学が稼ぐのか

第4章 若者の心をつかむ情報発信力

1 なぜ、近大の記者発表が注目されるのか
2 なぜ、頻繁にニュースリリースを出すのか
3 なぜ、大学がブランドを構築するのか

第5章 近大が日本一へと躍進した原点

1 なぜ、「スーパーグローバル大学」に選ばれなかったのか
2 なぜ、「英語村E3〔e-cute〕」は成功したのか
3 なぜ、「ガバナンス」が必要だったのか

あとがき 

 

こちらの大学が行っていることは大変すばらしいと思います。

海外の大学が研究者が実際にビジネスも行い、直接収益をあげていくということを
実践している一方で日本はそういったことが本当に苦手だといわれています。

これに一石を投じるというか、将来それらの像が大学にとって目指すべきものであるとすれば、そこに近づく可能性を秘めているのではと思います。

ただ、上記①②は別の軸として捕らえるもので、どうも著者がこのあたりを区別せずに議論しているよう感じたことだけはまずいと思いました。

①に関しては養殖という領域でそもそも、強みを持っていた本校が
長い間悲願であったマグロの完全養殖に成功したということと、それの販売で
実際に大学主体でビジネスに乗り出しているということ。

②に関しては、学生数の獲得が難しい中、また大学での学問がコモディティ化
している中、何を持って差別化を図るかという点で、しっかりとしたビジョンと
的確なマーケティングが功を奏したしたということ。

なのでビジネスの両輪である営業力と商品力という観点では非常に参考になる点が
多くてとてもお勧めなのですが、この大学がとにかくすごいという見方をすると
スリードを起こしてあまりにももったいないと思います。

著者自身がこの点をしっかりと意識せずに、(著者なりに)カルチャーショックなこの大学の風土とマグロ養殖を成し遂げたことに感動してその勢いが全体に影響しているようで、それらのフィルターは省いて読むのがよいと思います。

現段階では営業力の方に偏りがあるように思いますが、もし前出の海外の大学のような状態を目指すのであれば、第2第3の近大マグロのような事業を興してビジネス的にも成功させることが必要になります。

近大マグロの成功はその研究者や携わるメンバーには継続的に評価となりますが、
逆に大学としては、次のものが出てこないと一過性、その分野に強いというだけで
終わってしまいますので。

目次にもあるとおり、女子学生の誘致のため、学校のトイレをとてもきれいにしたり
と工夫は多くしているわけですが、これはすでに書いたとおり、大学における学問自体がコモディティ化しているからこそ、そういった付随するもので評価を得ようとしているわけです。

評価経済の一環と捉えることもできると思いますが、そうであればいっその事、
研究費の確保にクラウドファンディングの要素を取り入れるなどのほうが面白い
と思うんですよね。

評価経済(社会)についてはこちらがわかりやすいです。


岡田斗司夫×堀江貴文が語りつくす!(第1回)世界は“お金”から“評価”の時代へ 『評価経済社会』刊行記念トークイベント|エディターズ・チョイス|ダイヤモンド・オンライン


学生の数だけでは十分な収益を生むことは難しくなってくるはずです。
であれば、自分たちで収益を生み、それがさらに学生をひきつける求心力になるという好循環も理想ですね。

あちこちのメディアで紹介され始めているので、また書籍も出てくると思いますが、
現段階ではこの本が現状を知る一番よい資料になりそうなので、ビジネスマンの方はぜひ参考にするのがいいと思います。

明治などの非常に強い競合がいた中で、ポジションをとったということは
学ぶ分が多くあるということだと思います。

お勧めです。

ではでは。